母親の発表会を見に行くために帰省する年頃になった

本日、神戸より東京へ帰ってきました。
わずか3日間の帰省。
今回の帰省の一番の目的は、「母親の発表会の観覧」であった。
地元の合唱サークルに所属する母。
音楽大学の声楽科を卒業し、音楽教室の先生やら自宅でのピアノの先生やらをやっていたけれど、現在は70歳を迎え、猫の世話やら趣味のコミュニティやバイトに時間を使っている。
そんな母がずいぶん前に、「この日は空けておいてね」と念押ししてきていた。
毎年開催される大きなイベントの中の1プログラムに母の出番があるのだが、イベントの集客が大変なようで、母にも集客のノルマがあるらしく、母に頼まれて私は毎年この日になると帰省しているのだ。
いつもなら特になんの気にもせず、母の出番が来たら演奏を聴いて、拍手をして帰るといった感じで終わるのだが、今回はちょっと違った。
会場には父と電車で向かう。
勉強大好きな父。定年後、放送大学で好きな歴史や科学を学びながら、巨大サークルを立ち上げて活き活きと学生生活を送りながら、畑を借りて野菜を育て、時にはバイトもしている活動的な人。
今度、サークルメンバー50人を引き連れてスーパーコンピューターを見に行く話だの、手作りハーブ石鹸を売り出す話だの、電車の中では絶え間なくマシンガントークが炸裂する。
少し前なら完全に話半分で聞き流しで、とりあえず声が大きいから「少し静かにして」と言ってしまっていたが、今回は何となく話を聞く気になれた。
改めて冷静に見ると、小学生のやんちゃ坊主がそのまま大人になったような人である。
そんな感じで「ふんふん。」と父の話を聞きながら会場に到着。
会場は大きな体育館。
しばらくすると母の合唱の出番がやってきた。
緊張してないかな、、、って私が緊張している。
いつもなら普通に見ているだけなのに、なぜか今回は私の方が緊張してしまう。
親が子供の発表会を見る時ってこんな感じなんだろうか。
こっちの緊張が向こうに伝わるかもしれないから私がリラックスしなきゃ、、なんてちょっと焦ってしまった。
そうこうしているうちに演奏開始。
母は伴奏のエレクトーン担当。
出だしはいい感じか?と思いきや、なんか最初の音が変ではないか???
母はしきりに横を向き、機械の音声さん?に声をかけている。
え?大丈夫か???
私の方がドキドキする。
若干の不協和音が続きながら1番が終了。
2番に入ると、なんとなく音程も安定してきたようだ。
母も横を見ることなく最後まで演奏を続けた。
そして無事終了。
私もほっと一息をつく。
人の発表会を見るってこんなに大変なものだったっけ。
何もしていないのに少し疲れてしまった。
その夜、家族で食事をしているとき、父は本物志向で目線は厳しく、合唱が上手くなかっただのあんまり褒めておらず、
母は不服そうだったが、私が
「よかったんちゃう?」
と声を掛けたら、母は少し嬉しそうにしていた。
”親は自分より尊敬できて、高い位置にいる人”
今まで、そんな固定概念があって、自分が嫌だと思うところがあることが許せなかった。
だけど、今は
”親も一人の人間なんだな”
と思えるようになったのだろうか。
親のどんなところでも受け止められるようになってきた。
父の子供っぽいところも、
母の感情豊かなところも。
こんなことを親に言ったら「何を生意気なこと言ってんねん」と言われそうであるが、
私もそんな風に親を思える年頃になったんだなと、改めて月日の流れを感じる帰省だった。