シンプルは綺麗。人間らしさは美しい。
シンプルなもの。
それは綺麗だ。
私は、自分を一歩引いたところか、客観視することがよくある。
そういう時は、自分という人間を自分で操っているかのような錯覚に陥る。
そういう時って、目の前の世界を自分自身でつくっているような。
そうすると、大抵、とてもシンプルな綺麗なものが作り上がる。
整列した数字のような状況。
一方で、自分の中に入る時、と言ったらいいのか、
自分と”同期している”とき、
そんな時は「とても人間らしい」と感じる。
五感から得られる一つ一つの感覚、
逐一変わる感情、
白いキャンパスに、自由に色を乗せていくよう。
色を乗せる手は自分の意思次第でいくらでも動く。
ときには美しい桜を描き、
ときには秒速25mの嵐を描き、
ときには深海の世界を想像で描く。
こんな人間らしい景色の中に、私は”美しさ”を感じるのだ。
自分自身の中だけではない。
他人の中の景色も同じ。
次の瞬間には消えてしまうような儚いその一瞬の感情、人々の想い、人それぞれのドラマ。
それは決してシンプルなものではない。
一つ一つ、複雑な感情や想いが入り混じっている。
そんな奇跡的な確率で生まれるその中でしか生まれない現象。
そんな一瞬を垣間見たとき、「美しい」と感じるのだ。
綺麗さと美しさ、両方を味わいたいから、私は自分と同期や離脱を繰り返す。