第5期パワーパーソン養成講座、とあるアシスタントの備忘録。−闘志と冷水−(2/3)

初日。

少しばかり、頭痛を引きずりながらも、気持ちを切り替える。

アシスタントの仲間たちの動きを横目で見ながら、受講生を迎え入れる。

受講生同士、知り合いが多いのか、会話が弾んでいる場所と、これから何が始まるのだろうという緊張感がある場所と2つあった。私が受講生の時は緊張しかなかったが、少しリラックスした空間だなと感じる。

トレーナー加藤秀視氏のファシリテーションで研修が始まり、進んでいく。

いつも自分がしている選択、いつも自分がやっている一つ一つの行動が自分という人間をつくっていく。

その一つ一つの選択に向き合わせるプログラムが組まれている。

そして、真剣に向き合えば向き合うほど、個々の気づきが大きくなる。

どうすればより自分たちの気づきを多く得られるか、それを考え、場面場面の演出をしていく。

 

人のあり方が、周囲に影響を及ぼす結果を見せつけられた。

そんな中、アシスタントが受講生に対してスピーチをする場面があった。
仲間が熱いスピーチをする。
私はスピーチすることを選択しなかったが、自分もやりたくなるようなスピーチであった。
改めて、仲間たちの決意を感じる。
そのスピーチは受講生にも、我々アシスタントたちにもお互いの胸に届き、各々の士気を上げる結果になった。

その後の研修で、「やると決めること」が試される場面があった。

決めた姿が周囲に影響を及ぼし、周囲を巻き込んでいく。

そして、その姿に感化されて、各々が様々な感情を生み出していく。

一つのワークで数々の姿を見させてもらった。

 

小鹿のように足が震えながらも挑戦する姿。

どうにかなる、と恐れが何もない姿。

本当にこれで良かったのだろうかと葛藤しながら他人を見つめる姿。

悔しさを内に秘めて、今できることをやろうとしている姿。

 

この一瞬は今しかない。

この瞬間、やれることを精一杯やる。

その上での自分の感情を確かめ、次の人生にどう活かしていくか。

 

それはアシスタントも同様だった。

アシスタントのスピーチと受講生達の闘志萌える姿を見て、

私もこの瞬間、やれることを精一杯やると気持ちを奮い立たせられたのだった。

 

「厳しさ」と「責め」の間で

初日が終わり、初日の振り返り、2人一組でシェア(感じたことを話す)の時間があった。

アシスタントは受講生のシェアの時間がより良いものになるようなサポートをする。

話が逸れていたら引き戻す役割などである。

初日、受講生の方には寝れないくらいおもいっきり葛藤して欲しかった。

ここでスッキリした状態で眠ってしまったら、今回の研修の価値が半減してしまう。

 

ここで、少し曖昧なシェアをしていた二人がいたので、自分と向き合ってほしい、という気持ちが前に出てしまい、思わず誘導尋問的な質問をしてしまった。

「Yes」としか答えられないような聞き方。

本当は、「Yes」か「No」か自分で考えて欲しかったのだが。

 

思わず、二人ともに対して思いっきり顔面パンチを食らわしてしまった。

これは「厳しさ」ではなく「責め」になっていないだろうか?
そんな、やってしまった感を感じながら、シェアの時間を終えた。

いつもの私なら質問をするのではなく、そのまま本心をグサッと一突きしてしまうのだが、今回はせめて「質問」に留まったことは自分の中で良しとしたが、多少の罪悪感が残った。

本心を突き刺すのも良いが、今回の私の中では、なるべく答えを自分たちで考えて欲しかった。

人に言われて気づくことはとても自分のためになるが、忘れてしまうことも多い。

しかし、自分で気づいたことは絶対に自分の血となり肉となる。

だから、答えを言うことをグッと堪えようと思ったのだが、今回は思わず答えを導く公式が口が出てしまった。

まるで数学の答えを導く学校の先生だ。
こんな簡単に答えを導くサポートをしてしまって良かったのだろうか。
もっとゆっくりと考えさせた方が良かったのではないか。

それに、一突きして耐えうる相手かどうかの判断が曖昧であったため、少し迷いがあったのだ。

これでひねくれてしまって、今後の研修の取り組み姿勢に響いたらどうしよう。そんな不安が少しあった。

 

翌日、そんな気持ちを抱えている私とは裏腹に、

「あの一言で考えさせられた」と一人から感謝の気持ちを伝えられた。

 

自分では自然とやってしまったことが、人に影響を与えられる、
アシスタントとしての自分の存在意義を確かめる結果となった。

 

これはアシスタントに参加するきっかけだったことと同じ現象。
その時は目の前の人が喜んでくれているのが
ただ、嬉しかった。

 

その後、二人はしっかりと向き合うことに向き合い、見る見る変わっていった。

私の一言がどう影響を与えたかはわからないが、結果オーライとしよう。

自分でも少し、誰かの役に立てたかもしれない。
そしてもっと、人に考えさせる言い方ができるようになりたい。
そんなことを、考えていた。

 

自分の存在意義を意識する

2日目。

午前中、私は失敗をする。

端的に言うと、アシスタントとしての役割を十分に果たせなかったのだった。
抽象的概念をいかに具体的に落とし込んでいくかというディスカッションをしていたのだが、私が担当していたグループは話が逸れてしまい、うまく落とし込むことができなかった。

私自身、落とし込みの位置が定まっていなかったことが原因の一つ。

そして、アシスタントとしてではなく、ついつい自分でディスカッションを仕切ってしまいそうになったというのが一つ。
今思えば、ここは自分が仕切ってしまっても良かったのかもしれない。

だが、当時は「深い理解をする」ことよりも「受講生主体で議論を進めてほしい」という自分のエゴが勝ってしまい、口を挟もうとしていなかった。

ここで自分自身に少し迷いが出てきていることを感じる。

そこで、改めてアシスタントの存在意義を確認することになる。

 

知っているつもりが一番怖い

アシスタント同士のコミュニケーション

ここは1点、自分自身の反省点だ。

アシスタントとして2人一組でペアを組んだのだが、パートナーと十分に意思疎通ができていなかったのではないか?という疑問が残っているところである。

以前から知っている人であるということが、「勝手に、自分は相手のことを理解している」と勘違いしていた。

確かにちょくちょく顔を合わせてお互い知っているが、深くじっくりと話をしたことがないかもしれない。

「きっと彼はこう動くだろう」と勝手に想像していたが、実はそうではなかった。
私の完全なる思い込みであった。

それになんとなく気づいた私は、昼食の時間に話をしようとするが、うまく聞き出せない。
時間がない中、本題に踏み込めない。
そんなモヤモヤした中で、休み時間が終わってしまった。

そこが原因で二人が完全に連携できている状態ではなかったことは確かである。

研修が終わるまで、自分自身、相手のことを分かったつもりでいたことが反省点であった。

もっと知っていれば、よりよいアシストができたと思う。

これは日常でもあると思う。
見ているつもりでも見ていなかった。

 

自分の過信を認める結果となった。

 

そして、またワークが始まった。

 

信じる、が人を盲目にさせる

ここでは、他人と自分と向き合わされる。

 

他人と向き合う=自分と向き合う

 

ということ。

受講生達は自分を変えるために、研修に参加している。

自分を変えるためには今までの自分の何をどう変えていくかを自分自身で見つけなければいけない。

そのため、自分自身と向き合うことが必要になる。

その中で、他人と向き合うというのは、自分だけでは自分を客観的に見ることができず、自分の何を変えていけばよいのかがわからないからである。

 

他人を通して、他人と比較をして自分という人間を見るのだ。

 

その中で、自分自身の変わる必要があるところにそれぞれがぶつかり、気づきを得て、変わっていく。

我々アシスタントは、其々の受講生が向き合うべき課題にしっかりと向き合うよう、アシストする。

受講生がどのように向き合っていくのか、

受講生の出方によって、どう接するか、決めようと思っていた。

受講生自身で考え、向き合い、各々の答えを出してほしい。

そんな想いから、多くの声は掛けず、じっと担当チームのみんなを見守っていた。

受講生がそれぞれ意見を出し合い、お互いが気づきを得ていく。

私はとても良い状態であると感じていた。

そんな中、突然のアシスタントミーティングがあった。

今の状態が良いと感じていたのは、一部そうで一部間違いであることに気づかされる。

 

意識のズレがもたらした結果

最初、どうしてミーティングがあったのかがわからなかった。

ただ、再度研修場へ戻ると、目が覚めた。

冷水を掛けられたような気分だ。

トレーナー加藤氏のファシリテーションによって、場の空気が変わっていた。

 

アシスタントの気負い、遠慮が受講生に伝わってしまっていた。

各々のアシスタントの意識が全体へと向いていなかった。

初歩的で大切なことなのに、その意識が向けられていなかった。

少し遠慮していたかもしれない。
全体のことは考えていなかった。

この2点は正直にそう思う。

自分の状態が周囲に影響を及ぼす、最初に確認したことなのに、日頃意識ができていないことがわかる。
それに、自分だけできていればいいというような考えがどこかあったのかもしれない。だから他に目がいかなかった。

それに受講生を信用している気持ちが、どこか「何もしなくてもよい」というような怠慢に繋がったのかもしれない。

みんなやる気がないわけではない。ほんの少しの意識のズレが、全体の結果に影響を及ぼしていた。

研修場へ戻ると、この空気感で進めるということが必要であったと、今の状況を理解する。

しかも、私が見ていたチームは進行がどこのチームより遅かった。

周囲の状況を見て、周囲と歩調を合わせられるようにアシストができていればよかったと、その時やっと気づいた。

木を見て森を見ず。

そんな、状況で身震いしながら気を引き締める私。

反省が多かったが、やっぱり最後は仲間に助けられることになる。

 

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第5期パワーパーソン養成講座、とあるアシスタントの備忘録。−自分が信じられなくても仲間は信じられる−(3/3)

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