真実は一つではない。feat.社長との話。

「真実はいつも一つ!」って聞いたことあるけれど、そうじゃないんだ。

真実っていくつもある。

 

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私の会社は大阪に本社があるので、社長は日頃大阪にいるのだが、たまたま社長が東京に来ていて、ちょっと話がしたいと呼ばれて話をすることになった。

すごく穏やかで優しい人。

今の社長になって、会社が時代に合わせようと変わりつつある。

今年、創立70周年を迎えた伝統ある会社だが、古き良き伝統を残しつつ、新しい風が混ざり始めた今の時代を作ろうとしている人である。

 

「こっちとしては残念やなと思うんやけど、決めたことにどうこう言うつもりは全くないねん。ちょっと、個人的に話が聞きたいと思って。」

と、言って話をすることになった。

 

「うちの会社に入ってから、心境の変化とかってどうやったんかなと思って。大学で土木学んで入ってきたやん?なんかこんな仕事したいとか。コンサル(建設コンサルタント)志望やったん?他に公務員とかは考えてなかったん?1年半前に1回辞めようとしたやんか?そのときは?そのときからもうコンサルには戻ろうとは思ってなかったん?」

 

そう言われて、ふと入社当時を思い出した。
社長を前にすると、自然と素直な気持ちになれる。

 

「最初、関西で働こうと思っていて、あとは、大学で学んだことを活かしたいなと思って、転勤も少なさそうだし、一つの現場を長く担当できるコンサルにしました。何かをやりたいとかではなく、働き方がいいなと思ったので。先輩もいましたし。でも、東京になったので、最初にプランが崩れましたけどね。」

 

うちの会社は関西ではとても強い会社。
地元を離れたくなかったので、今の会社を選んだ。

 

「最初、3年半、地下構造設計してたときはどうやった?」

「仕事の中身はとてもおもしろくて、色々なことをやらせてもらってよかったです。」

社長は静かに話を聞いてくれる。

 

「人間関係とか、働きやすさとかはどうやった?」

ふと、昨日書いたブログが頭に浮かぶ。
ただ、今はそんな気持ちにはならなかった。

 

「入ったときは同年代の先輩とかが少なかったんですが、」

と言いながら、そんなに嫌でもなかったなとの思いが浮かぶ。確かに同年代の人はいなかったが、10歳以上年上のお姉さん方に良くしてもらったし、ちょっと年上の男の先輩によく飲みに連れて行ってもらったし、何も悩むことはなかった。そんなことを思い出しながら、言葉を続ける。

 

「そんなに、大変でもなかったです。たぶん、結構どこでも生きていけるんです。」

ふと、そんな言葉を返した。
私は人には恵まれているのだろう。

昨日は、「会社にいる時の自分が嫌だった」と言ってた。
昨日書いたことも事実だけれど、今答えたことも本当のことなのだ。

白か黒かではなくて、白の時があるのも黒の時があるのも、自分の状態次第なのだ。

 

「そうなんや。今の部署の仕事はどうなん?それでもコンサルっぽいかな?」

「コンサルとは全く違う仕事ですね。それはそれでおもしろかったです。」

「そうなんや。コンサルは前辞めようと思った時からもう戻る気はなかったん?」

やっぱりコンサルタントを束ねる人。
今後のコンサルタントの行く末も考えての質問が多い。

 

私は人には恵まれていたけれど、ただ、たまたま大変な時期が重なって、別の選択肢が結果的に出てきたのだ。そんなことを考えながら、”あの時期”の話しをする。

 

「ただ、”あの時期”は大変でしたね。そのときは必死に仕事をしてたんですが、”あの時期”が過ぎた後に気持ちが落ち込んでしまって、それがずっと治らなかったんです。環境を変えないと治らないなって思ったんですが、休職っていう選択肢がその時なかったので、辞めようとしました。」

1年半前に同じ社長に辞める許可を得ていたので、その話に。結局その時は辞めなかったのだけれど。

 

「これからどうしようって改めて考えるようになって、今の仕事やコンサルで働くイメージができませんでした。仕事が嫌っていうより、会社以外の人との影響が大きいです。東京に出てきて、知り合いもほとんどいなくて、だから東京でいろんな仕事をしている友達を作ってきたんですが、友達との出会いで見える範囲が広がってしまって、今のコンサルの仕事は自分には合ってないなと思ったんです。」

大変なこともあったけれど、楽しいこともいっぱいあって、ここまで育ててくれた会社に感謝しているので、なるべく嫌なことは言いたくなかった。

「最初に大阪で仕事をしてたら、なんか変わってたかな?」

「大阪にいたら地元の友達とつるんでたと思うので、それ以外を知ることもなく、コンサルの世界で生きていたと思います。」

「そうなんや。結果的に中野さんにとって東京に出てきたのは良かったんかもしれんね。」

「はい。そう思います。」

 

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うちの会社にはとてもいい人たちがいっぱいいる。
ただ、その中で自分がなぜ動こうとしなかったのか。

 

それは、周りの人のせいではなく、きっと自分が望んでいなかったのだ。

 

この場所でもっと活躍しようと思えば、やるべきことはたくさんあった。

 

でも、それをしようとしなかったのは、自分が望んでいなかったのだ。

 

そして、今、東京にいるのも、きっと本心では関西を出たかったのだろう。

 

全て自分の望むとおりにいっている。

自分に合わせて周りの環境が変わっていっている。

昨日の真実とはまた違った、これが今日の私にとっての、会社での生活の真実。

 

会社に対しての話は、昨日の話も真実で、この話も真実。

 

真実って一つじゃない。

真実って自分で決めるものだから、自分の状態一つ、自分の見方一つで色々な真実がある。

 

だから、「真実はいつも一つ」ではないと私は思う。

あえて言うとしたら「事実はいつも一つ」かな。

 

自分一つで真実っていくらでも変わっていくんだ。

社長と話をしていて、そんなことを思った社長との話。

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