同性からの突然の告白。(1)その時私がとった行動とは。

親しくしていた歳下の女の子に「好きです。」と言われた。

突然の告白だった。

 

 

私にとって同性からの告白を受けるのは初めて。

不意打ちで急に頭を横から殴られたようだった。

 

彼女という人

彼女はいつもふざけて場を盛り上げる。
ただ、自分の心は決して見せない。

 

自分を受け入れてもらえないことに怯え、そうやって人が興味を持つ話をすることで人に受け入れてもらおうとしているように私には見えた。

 

そんな繕う姿を見ていられなくて、私から声を掛けたのが最初の接点だった。

 

彼女は自分のことはあまり話したがらず、よく私のことを聞いてきた。なので、大抵私が自分のことを話す。

たまに私が彼女のことを聞くけれど、彼女はすぐに自分の気持ちとは違う言葉を発する。
もう、癖になっているようだった。

そんな発言を聞くたびに私は「本当はこう思ってるんでしょ?」と聞き返した。

最初は驚いたようだったが、少しずつ自分の正直な気持ちを話すようになってきた。
そんな話をするときは決まっていつも辛そうな顔をする。

「その時」も同じだった。

 

突然の告白

二人で食事に行ったのはその日が3回目。
全て私からの誘い。

彼女が強く望むことが私には本心には思えなくて裏をかく質問をした時、いつものあの表情が出てきた。
少しばかりの沈黙の後、胸の奥からひっぱりだすように小さな声で話し始めた。

「私は自分の性癖が嫌いなんです。男性も女性もどっちでもいけることが。」

そう、彼女は言った。

嫌って思いますよね?と聞かれたが、私はそういった知人もいるので特に嫌とは思わないと言った。

身内が死んだような顔をするので、
「一緒にレズビアンバーでも行く?」と軽い感じで返してみると、彼女はこう続けた。

「自分のような“同族”は好きになれない。」

“同族”という言葉から、彼女の痛みが推し量られた。
ただ、私は彼女をそのまま受け入れる事しかできなかった。

 

帰り際に。

「私はYokoさんのことが好きです。だから付き合い方考えて下さい。」

自分は女性を好きになることもある。そんな話をした別れ際、そう言って、彼女は背を向けて帰って行った。

私は一瞬息が詰まり、「わかった」としか言えなかった。

別れて帰宅し、頭を冷静にさせた後、すぐにLINEを打った。

「あなたと同じ好きな気持ちかどうかは分からないが、私は必死に自分の気持ちに向き合ってるところが好き。

付き合い方変わるかどうかは今はよく分からないけど、また遊びに行こう。」

そうしたら返信が来た。

「明確に拒否されるのが怖くて、付き合い方考えてくださいとか言ってしまい、困らせてしまいましたね。

またどっかに行こうと言ってもらえて嬉しいです。

無理やりにという気持ちはないので今まで通り接してもらえたら。」

と。

その時はそれで終わった。

今まで通りの付き合い方。
本当にそれでいいのだろうか。
彼女はいつものとおり、本心を隠しているようにしか見えなかった。

そんな相手の気持ちを察し、曖昧な返事をしてしまったことに後悔した。

好きな人に告白をして、相手からは同じ気持ちかどうかわからないけど好きだと言われて、また遊ぼうとか言われたらどうだろう?

ただの遊び人じゃないか。
「ハッキリして」と言いたくなる。

ただ、恋愛感情かは置いといて彼女のことは好きだし、あの時ははっきりと断る理由がなく、曖昧に答えてしまった。

今まで同性と付き合うなんて考えた事がなかったので気が動転してしまったが、シミュレーションでもしたら自分なりのハッキリした答えが出るだろうか。

仕事でも不安な時は細部までシミュレーションする。

きっとそれと同じ。

私は女性と付き合うことを一からシミュレーションしてみることにした。

→同性からの突然の告白。(2)シミュレーションしてみた。

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