分からない人に分かるように、嫌がる人を乗り気にさせる説明力(実例編)

GW明けの仕事始めということでチームミーティングがあった。

内容は今年度の活動方針についての話し合い。

私のチームはある地域サービスを運営しており、地域とより繋がるために「情報発信」が必須であるという話をしていた。

 

WEBサイトは存在するが、サービス内容があるだけで更新もほとんどせず、今まで自らの情報発信をほとんどやっていなかったサービスである。

情報発信をするなら色々とあるが、とりあえずまずは『ブログ』であると考えていた。

「地域と連携した活動をもっとPRしたい」 やりたいことはチームメンバーみんな共通であった。

 

チームメンバーは私を入れて3人。 私以外の2人は私より一回り以上、年上の方々で、情報発信についての知識がほとんどない。 知識がない方々に、説明をしていくことになる。

知識がないかもしれない人には、まず知識をぶつけてみて、反応を見る

私「基本的にはブログをつくって情報発信できればと思っています。A社(同業者のサービス)のサイトみたいなイメージです。」

ひとまず、知識をぶつけてみて、どんな反応を示すか見てみる。

キャリアウーマンの先輩「ブログはちょっと大変だと思うな。A社って結構更新してるでしょ?あれは難しいと思う。

部長「僕も”積極的な情報発信”って書いたけれど、ちょっと言葉が適切じゃなかったかもしれない。そんなに更新するイメージではなくて、ホームページを見たら、地域との連携をやってますというのがパッと見てでわかるイメージ。

 

あれ? 私の中ではブログしかないという結論が出ているのに、いきなり雲行きが怪しくなる。 ただ、みんな情報発信をしたいという思いはあるし、良いものは取り入れる柔軟な方々である。 本当に必要性をわかってもらえているのだろうか。 ただ単に、あんまりブログについてよくわかってないだけではないか? いきなり対抗心を燃やすのではなく、一度、冷静に受け止めてみる。

説明するのではなく、相手の理解度を確かめることに全力を注ぐ

キャリアウーマンの先輩は少し知識があるようで、部長の真意を探り出すために、話を深堀する

キ「それってバナーみたいなのをペタペタ張る感じですか。それならリンク貼るだけになってしまって、他のサイトに情報発信を頑張ってもらうことになりますが。」

部「いや、ちょっと違うな。A社みたいな感じ。」

お?A社というのは最初に私が提示したサイトイメージ。 おそらく、こんな風にやっていきたいというイメージは共通なのかもしれない。 じゃあ何に引っかかっているのか?

私「このサイトはブログで記事を書いていて、このボタンを押すと、カテゴリー分けされたそれをカテゴリーで分けてます。トップページにカテゴリー別のボタンがあって、そこを押すと、そのカテゴリーの記事一覧が見えるような仕組みになってます。」

ちょっと専門的な言葉が出てきてしまったが、要するにこのサイトはブログであるということを伝えようとした。 だが、部長はピンと来ていないようである。

部「うーん。トップページに、こう、なんとかのイベントに参加しましたみたいなのがいっぱいあって、もっと地域と連携している感を出したい。」

なるほど。 部長はWEBサイトの仕組みについてはよくわかっていない。 とりあえず地域連携してますといった情報が表で見えればいい、ということか。 それなら、なぜ”ブログ”といったときにいきなり違うといったのだろう。 理由もなしに意見を否定する人ではない。 もう少し、真意を探る必要がありそうだ。

相手がどこで引っかかっているのかを全力で探り出す

キ「それなら今のサイトで全体の構成を変える必要がありますね。ちなみに、すごく昔のイベントに参加した情報がサイトのトップに来ている状態が個人的には好きじゃないです。」

おっと。 相手は部長だけではなかった。 この方は部長とは違い、ある程度の知識があった上で、あまり乗り気ではない。 なぜ乗り気ではないのか。 今までの彼女の発言に答えが隠されていた。 発言をプレビューしてみる。

「ブログはちょっと大変だと思うな。A社って結構更新してるでしょ?あれは難しいと思う。」

「それなら今のサイトで全体の構成を変える必要がありますね。ちなみに、すごく昔のイベントに参加した情報がサイトのトップに来ている状態が個人的には好きじゃないです。」

ここで引っかかっている点はいくつかあるのかと思ってしまうが、実はたった一つだけ。

「手間がかかる方法かどうか」ということ。

「更新してるでしょ?あれは難しいと思う」 =そんなにガッツリと手間をかけていられないんじゃないか

「サイトの全体の構成を変える必要がある」=全部つくり変えるのは大変だし、お金もかかるんじゃないか

「昔の情報がトップに来ているのは好きじゃない」=好きじゃないからやるとしたら毎回新しい情報に更新することになる。それって毎回依頼をWEB会社にするのは結構手間がかかるんじゃないか。

この発言だけでは分かりにくいが、おそらく彼女は「ブログ=料理や美容品などを個人が紹介する趣味の領域」というイメージが強く、毎日更新するのが必須のような事前知識がつくりだしたイメージがあるのだ。 それに、彼女はリスク管理が超しっかりしている方である。リスクマネジメントの部署がもしわが社にあったとしたら、おそらく彼女はトップだろう。やり出して途中でできない、という選択はないため、実現可能性があることが第一なのだ。 相手の真意を見つけるためには、日頃から相手の性格をよく見ておく必要がある。

それを踏まえると、とにかく「手間がかからない」ということを示せれば解決する、ということを理解した。 あとはそこを説明するだけである。

引っかかるところを取り除きながらの提案

部長はひとまず置いておいて、キャリアウーマンの先輩の場合は引っかかっているところは心配しなくて良いということを踏まえて、引っかかりは問題ない(手間はかからない)ことを説明しつつイメージ通りのものができあがるということを再提案するだけ

私「じゃあやっぱりブログはどうですか?ブログって言っても毎日更新はしなくてもいいですし、現在のサイトに色々と記事を追加して情報発信をしていくというのは色々と手間だと思うんです。毎回WEB会社に原稿を出さなければいけませんし、トップページの構成を変えていくのも大変です。ブログであればWEB会社に頼まなくても自分達で勝手に更新できますし、現在のサイトにブログへのリンクを目立つところに貼っておけば、そこからブログへ飛ぶことができます。見た目はイメージされてるのと一緒ですが、現在のサイトと別のシステムを立ち上げるので、サイトの改修も必要ありません。」

キ「確かに、ブログだったら主婦の人とかもやってて簡単そうだし、こっちで更新できそう。」

彼女は自分の懸念事項が解決された途端、私の意見に肯定的になった。

相手が懸念を示すのには必ず理由がある。

あとは部長だけ。

他人は自分が想定していないことを考えているものである

話を聞いていた部長が口を開いた。

部「ブログとFacebookって何が違うの?

おー、そういうことか! まさかそんなことを考えているとは思わなかった!人は自分が想定していないことを考えているものである。部長は”ブログ”が、FacebookやTwitterのような類のもの(=SNS)だと思っていたようだ。 ブログとSNSの違いがわからないのであれば、おそらくSNSもよくわかっていないと思われる。

私「Facebookは会員限定サービスです。ブログはホームページと一緒です。なので、別のホームページをつくって、今のホームページにリンクを貼るようなイメージです。」

細かいことを言うと異なる点も出てくるが、そんな話はしない。 相手の理解度に合わせて、今何を理解してもらうのが必要なのかを念頭において話を進める。

部「ふーん。」

細かいところはよくわからないが、なんとなく「ブログ」でやりたいことが実現できることはわかった、というような答えをした。

この話題はここで終了した。結果、前向きに話を進められるようになった。

まとめ

◯分からない人にわかるように

1.ひとまず知識をぶつけてみて、どこまで分かっているかを確かめる。

→相手は自分の想定していないことを考えているもの。相手に説明するのではなく、理解度を確かめることに全力を注ぐ!

2.相手の理解度に合わせて説明する

→細かいことは話す必要はない。今何を理解してもらうのが必要なのかを念頭において話を進める

 

嫌がる人を乗り気にさせる

1.何が引っかかっているのかを確かめる

→引っかかりは何か原因があるもの。何に引っかかっているのかを全力で探り出す!日頃から相手の性格を知っておくことが重要。

2.引っかかりを取り除いた上での提案

→引っかかりさえ取れれば相手は聞き入れてくれるもの。

 

色々と書きましたが、相手の立場に立って見ることができたら、コミュニケーションはスムーズにいきます。ここ重要。ただ、自分は自分でしかないので、相手の立場といっても理解ができないこともあります。そんな場合は型から入ってみるのも一つ。守・破・離の「守」。よくわからなかったとしても型を繰り返すうちに、本当に大切なものが見えてきたりもします。「形から入る」ときは、こんな感じでやってみてもいいよっていう実例話でした。

 

P.S.

昨日は”みっけ”との絡みが全くなかったので、コーヒーブレイクで仕事の話。

私にとっては”みっけ”とのやり取りが刺激的すぎて、もはや”仕事の時間”が私にとってのブレイクタイムである。

次回はもう少しフランクな話を。

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